闘う君に追い風が吹くように
馬場俊英からの手紙 「最終回~追い風」
友よ、誰かと比べて落ち込んで、
足りない物を数えていったい何になるだろう?
ほんとうに大切なものって少しでいいんだ。
いらないものに気づきながら、ゆっくりと近づいて行こう。
そうやって大切なものに心が辿り着いたとき、
きっと新しい風が吹いてくる。
友よ、そこから見えますか?
誰かの涙が、君をわかりたいと思っている。
誰かの笑顔が、一瞬で君を許してしまう。
どこにも行かなくていいんだよ。
今日を生きていく理由は君のすぐそばにある。
君の代わりなんて誰にもできないんだ。
心に張った君の帆が、今、静かに揺れている。
君が見つけた、君だけの小さな風を、
君の帆が捕らえようとしているんだ。
友よ、生きてみよう。
精一杯に暮らしてみようよ。
どんな未来や運命が、
これからの君を待ち受けるのかわからないけれど、
君が納得出来るような瞬間が、
君に訪れることを祈っています。
朝の空気を吸い込んで、
心に張った君の帆がゆっくりと膨らんでいく。
誰も知らない君の頑張りが、日差しを受けて輝いているんだ。
(2008.10.22 朝日新聞朝刊)
(画像: http://natalie.mu/music/gallery/show/news_id/15214/image_id/3960) |
☆こちらからも読めます(第一章~「無風」/第二章~「向かい風」/最終回~「追い風」)
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