2014年4月17日木曜日

「生きる」

すっかり春ですね~ 
「生きる」は私が大好きな谷川俊太郎さんの詩です。
「かくされた悪を注意深くこばむこと」という部分、とても大切なような気がしています(^^♪

「生きる」    谷川俊太郎 
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと 
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと 
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
怒れるということ
自由ということ 
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声(うぶごえ)があがるということ 
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと 
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
~『谷川俊太郎詩集』(ハルキ文庫)~  

photo by 谷川俊太郎 『写真』より