2016年7月21日木曜日

「母という病」

実家との行き違いをきっかけに、前から気になっていた『母という病』という本を読みました。
著者は精神科医・作家として人々の心の問題に向き合う岡田尊司(タカシ)さん。

親子関係ってどうしても感情的になりやすい( ´д`ll)
この本では多くの事例を客観的に見ることができて、ずっと心の中でモヤモヤしていたものが少し整理された感じがします。

まずは「事実と気持ちを切り分け、事実だけを冷静に見つめること」、そして良い面を評価し、感謝を心がけるという対処法にも納得☆

何より、“母という病”(=親との愛情問題)を抱えていたのは、子どもの私というより実は親の方だったのかも…?!と気付けたことは大きな収穫でした。

戦後の混乱を生き抜いてきた親世代は兄弟も多く、父親が戦地に出向いたり、生活苦の中、親に甘えたくても我慢してきた人が多い気がします。
時代や環境が人間に及ぼす影響って想像以上に大きいものなのですね。。。

ちなみに、同じ著者で『父という病』という本もあります。

いま親子関係、ことに母親との関係に悩み、苦しんでいる人が増えている。… 
母親とぎくしゃくしたり反発したり、見るからに不安定な関係を抱えている人だけではない。
表面的には、すごくいい母と子に見えるような場合にでさえ、実は子どもの方が、母親に合わせ、支配され、その無理が別の形で表れているというケースも少なくない。 
自覚するにせよ、そのことから目を背けているにせよ、母という病はその人の人生を知らずしらず蝕んでいる。
それによって、得体のしれない生きづらさや、空虚感、自己否定感に悩まされているという人は少なくない。 
一体なぜそんなふうに自分は苦しんでいるのか、わからないままにもがいていることが多い。 …
相手の顔色ばかりうかがい、本音は言えず、相手に合わせ、損な役回りばかり引き受けてしまう人も、なぜ自分はそんなふうにしか生きられないのか、わかっていない。… 
親との関係など、取るに足りない問題だと思っている人も少なくない。
ある意味、そう思うことで、これ以上、落胆させられたり、傷つけられたりすることから自分を守っている。 
親との間に軋轢や違和感を自覚している人は、まだ、問題と向き合っていると言えるかもしれない。
同じくらい多くの人が、母親との関係は良好だと思っているものの、その実、一方的に忍従を強いられたり、過剰とも言えるほど親に尽くしていたり、親と子の立場が入れ替わっていたりする。 …
母という病は、単に親子関係の問題ではない。
…その人の存在の根底にかかわり、人生を大きく変えてしまうほどの影響を、いつのまにか及ぼしてしまう。… 
本書は母という病に向き合い、その人の身に何が起きるのかを理解し、そこから回復するための手がかりを提供するものだ。
本書とともに、ご自身の人生を振り返る中で、また今の生き方を見つめる中で、わだかまっていた母という病が、純化された結晶となって、かけがえのない宝物へと変わることを祈りたい。
~『母という病』 序章(p.14~22)より~