2019年3月31日日曜日

人生の主人公になる

前回も取り上げたお寺の住職、枡野俊明さんの本がとても良いです。
今回読んだのは『比べず、とらわれず、生きる』 

例えば、とかく女性は「○○(家事や子育て)しかしてこなかった…」と言いがちですが、「私は○○(家事や子育て)をしてきました!」と堂々と言う。
胸を張ってそう言った時、人は「人生の主人公になる」という言葉が印象的でした☆彡



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人生の主人公は、あなた自身
…禅でいうところの「主人公」とは、「本来の自分の姿そのもの」という意味を表しています。… 
「私の人生はこんなものなのか」
「どれがほんとうの私の人生なのだろう」
「自分自身が見えなくなってきた」 
と、こういう悩みを抱えている人に時おり出会います。
きっと、自分の生き方を真摯に見つめているからこそ出てくる悩みなのだと思います。
何も考えずに生きている人は、そんなことで悩みませんから。 
一生懸命に自分探しをしているからこそ生まれてくる悩み。
私はそういう人に対して言います。 
「今あなたが歩いている道。それがあなたの人生であることを信じてください。もしかしたらその道は、いつかは変わってしまうこともあるでしょう。それでも、道が変わるまでのあいだは、今歩いている道を迷うことなく進んでいくことです」と。… 
主人公になるか否かは、結局は、自らの心の持ち方次第だと思います。
今、与えられている環境の中で、一生懸命に自分に与えられた役割をこなしていく。
隣の道に気を取られることなく、今自分がやるべきことに、心を尽くしていく。
そんな気持ちで生きることこそが、人生の主人公になるということなのです。
「隣の芝は青い」といわれるように、人はついよそ見をしてしまいます。
他の人が歩いている道を羨ましく思う。
自分のいる世界がいかにもつまらないように思う。
淡々とした日常生活に嫌気がさすときもあるでしょう。  
しかし、よそ見をしたところで何もいいことはありません。
たとえば、隣を歩いている人のことを羨ましいと思い、自分もその道に入ってみたいと思う。
ところがいざ他人が歩いている道に入ってみたら、そこは歩きにくくて仕方がない。
当たり前です。隣の道は、隣の人の人生だからです。
他人の人生の舞台に顔を出したところで、あなたは主人公にはなれません。
主人公になれる場所とは、自分自身に与えられた道しかないのです。 
ときに自分が歩いている道が、どうしても合わないと感じることもあるでしょう。
どんなに努力しても歩きにくいと感じることもあります。 
しかし、人生とは面白いもので、本当にその人に合わない道であれば、必ずその先には分かれ道が現われます。

その分かれ道に出会ったときに、立ち止まって考えればいい。
道が分れることなく続いているときには、ともかく一生懸命に歩を進めることです。
今、あなたが歩いているその道を信じることです。
~枡野俊明著『比べず、とらわれず、生きる』 より~